北日本四政経懇話会

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「人工知能(AI)と新時代-どう変わる生活、ビジネス」

【日時】平成30年10月12日(金)正午から
【会場】富山第一ホテル
【講師】中山五輪男氏(富士通株式会社常務理事・首席エバンジェリスト)
【演題】「人工知能(AI)と新時代-どう変わる生活、ビジネス」
 北日本政経懇話会10月例会は12日、富山市の富山第一ホテルで開かれ、富士通常務理事・首席エバンジェリストの中山五輪男(いわお)氏が「人工知能(AI)と新時代―どう変わる生活、ビジネス」と題して講演した。テクノロジーの急速な進化で暮らしが大きく変化する「シンギュラリティ(技術的特異点)」が近いとし「これまで人類が経験したことのない時代が到来するだろう」と語った。

▽今後30年で大転換
 エバンジェリストは伝道師のことであり、自社のサービスや製品を世の中に広めるのが役割だ。今回は、AIによってライフスタイルやビジネスがどう変わっていくのかを伝えたい。
 私たちは今、第四次産業革命の中にいる。今後30年の間に人類最大のパラダイムシフト(枠組みの転換)を経験することになる。こうした変化を予言したAI研究の世界的権威である米国のレイ・カーツワイル氏の2005年の著書「シンギュラリティは近い」を基に予想される変化について私の集めた情報を交えて紹介したい。
 20年代にはAIが、教育を受けた人間と同等の知性になる。実用的なナノマシンが医療目的で使用されるという。現に東大の研究チームが世界に先駆け、がんの放射線治療向けに20年の実用化を目指して開発している。カーツワイル氏の予言が的中した。
 20年代後半には仮想現実(VR)が本当の現実と区別できないほど高品質になるという。買い物や旅行、医療現場での活用も進む。VR全盛の時代が来るのではないか。25年にはテレビの市場規模を上回る成長を遂げるとの予測もある。
 30年代になると脳内にナノマシンを入れることで外部機器を必要とせずにVRを作り出すことができ、40年代には人々は仮想現実で時間の大半を過ごすようになるという。VRには大きなビジネスチャンスがある。

▽知見共有が重要
 この30年で世界の時価総額ランキングの上位企業の顔触れが大きく変わった。現在の上位は米アップルやアマゾンなど新たな仕組みを作り、または改良して普及させるイノベーション企業が占める。
 激動の時代を生き抜くには1社だけでは難しい。中小企業にとっても他社や教育機関などと連携し、知見を共有する「オープンイノベーション」が重要になる。

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