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にいかわ政経懇話会10月例会

「中国『一帯一路』と日本の選択」

【日時】平成30年10月18日(木)正午から
【会場】ホテルグランミラージュ
【講師】森 保裕氏(共同通信社論説委員)
【演題】「中国『一帯一路』と日本の選択」
 にいかわ政経懇話会10月例会が18日、魚津市のホテルグランミラージュであり、共同通信社論説委員の森保裕氏が「中国『一帯一路』と日本の選択」のテーマで講演した。権力の集中が進む習近平(しゅうきんぺい)政権の特徴などを説明し、今後の日中関係について「政治・軍事面で辛抱強く対話を続けるとともに、民間レベルでの交流を進めていくべきだ」と述べた。

♢辛抱強く対話継続を
 中国では習近平国家主席の1強体制が強まっている。今年3月の全国人民代表大会(全人代)では、憲法改正で習氏の思想が組み込まれ、国家主席の任期制限が撤廃された。終身支配の可能性も出てきている。
 習氏が2013年に打ち出した「一帯一路」構想は、海上と陸路の二つのルートで、現代版シルクロード経済圏の構築を目指すものだ。習氏は昨年5月に北京で開かれた国際会議で「平和協力と相互利益」の重要性を強調し、各国に参加を呼び掛けた。
 一帯一路のバックボーンにあるのが「人類運命共同体」の考えだ。中国が新興大国としてどのように国際社会に関わっていくか基本スタンスを示したもので、覇権は求めず、平和主義を貫き、共生を目指すとしている。 

♢国際秩序の変化狙う
 習氏は今年6月の中央外事工作会議で、人類運命共同体の旗印を高く掲げ、グローバル統治体系を、より公正で合理的な方向へ発展させるとの方針を示した。これには米国中心の国際秩序を変えたいとの考えが表れている。
 貿易摩擦や台湾などの問題で米中の対立は激化している。北朝鮮への影響力も競っている。こうした中、日本は中国とどう付き合っていくべきか。今年は日中平和友好条約が締結されて40年になる。尖閣諸島の国有化で悪化していた日中関係は、昨年から「一帯一路」をてこに修復に向かっている。今月25~27日には安倍晋三首相が訪中し、習氏と首脳会談を行う。

♢民間交流進めるべき
 一衣帯水の隣国同士として共生関係が必要だ。隣国としてどんな中国が望ましいのか。一つは覇権主義を取らずに、平和主義に徹することだ。二つ目は民主化すること。三つ目は経済的に安定していることだ。これら三つの方向に誘導していくことが安倍政権や今後の政府に求められる。
 政治・軍事面での辛抱強い対話と共に、民間レベルでは人と人とのつながりを深め、経済・文化の交流を進めることが大事だ。日中平和友好条約を言行一致で実現できるようにしなければならない。 

※新入・交代会員を紹介
 例会では新入会員として、飛田徹也ごすと~ざ代表が紹介された。

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