北日本四政経懇話会

高岡政経懇話会2019年4月例会

中国の権力構造と米中貿易摩擦の行方

【日時】平成31年4月23日(火)正午~
【会場】ホテルニューオータニ高岡
【講師】興梠 一郎 氏(神田外語大学外国語学部教授)
【演題】中国の権力構造と米中貿易摩擦の行方
 習近平国家主席は新しいタイプの中国のリーダーだ。習氏の一強体制ではなかったら、これほどまでに米中の貿易摩擦は強くならなかっただろう。今年の全人代の報告内容は変更点が目立った。外からの圧力が強まっているのを意識している。巨大経済圏構想「一帯一路」については、国際ルールに従うと明記し、昨年からトーンダウンした。
 中国の経済は今年の1~3月、成長率が下げ止まった。景気がいいという誤解が生まれたが、借金を積み重ねながら景気対策をやった結果。国営企業が経済を取り仕切っているため、数字を合わせることができる。
 貿易摩擦の最大の問題は過剰生産だ。中国は国内総生産(GDP)至上主義だから、(作った)ものが余る。それで雇用を維持している。ものが余るから外国に売る。国営企業を解体し、民間主導の経済にすることで問題はなくなるが、これをやってしまうと中国共産党の支配は終わってしまう。
 中国は外交的に対立すると、経済や観光面などを制裁手段に使ってくる。インバウンドブームだが、日本は中国に依存せず、内需を高めたり、新しい市場を獲得したりしていかないと局面が大きく変わる可能性がある。
 昨年の全人代で習氏は国家主席の任期制限を撤廃し、権力をより集中させた。トランプ政権の経済政策担当者は「中国が2001年に世界貿易機関(WTO)に加盟して以来、貿易戦争を米国に仕掛けている」と言っている。中国に自由に貿易をさせた結果、軍事資金も増え、経済成長が独裁を強めたとも言える。

 新入会員として松谷輝義平ら寿し本舗代表相談役、交代会員として松井克仁チューリップテレビ高岡支社長が紹介された。

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