北日本四政経懇話会

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にいかわ政経懇話会4月例会

平成の天皇のあゆみと新元号

【日時】平成31年4月25日(木)正午~
【会場】ホテルグランミラージュ
【講師】河西 秀哉氏(名古屋大学大学院人文学研究科准教授)
【演題】平成の天皇のあゆみと新元号
 4月例会は25日、魚津市のホテルグランミラージュで開かれ、名古屋大大学院人文学研究科准教授、河西秀哉氏が「平成の天皇のあゆみと新元号」をテーマに講演した。時代背景とともに天皇、皇后両陛下のこれまでを振り返り、令和の時代に向けて「象徴天皇とは何か、私たち国民が考えていく必要性がある」と語った。

♢象徴とは何か考えて
 戦後、象徴天皇制が成立した際、日本側は「象徴」の解釈を明確化しなかった。天皇陛下が「象徴を模索する」とよくおっしゃるのは、象徴の解釈の広さに要因がある。
 内閣総理大臣の任命や法律の公布などの国事行為は憲法に書かれているが、被災地訪問や慰霊の旅といった公的行為は憲法に書かれていない。天皇陛下の公的行為は若い頃に比べ、明らかに増えた。
 結婚当初、両陛下は国民から大変な注目を集めた。昭和の後半に国民の皇室への興味が薄れたことに危機感を持ち、お二人は象徴の在り方を模索するようになった。昭和天皇の代理として皇室外交を担う中、外国で戦争の複雑な記憶に触れた。沖縄でも強烈な体験をされた。外国や沖縄での経験が慰霊の旅につながった。
 皇太子時代の「国民と苦楽をともにするという精神的立場」という1986年の言葉に、平成の特徴が表れている。社会福祉施設の訪問など「平成流」と呼ばれる両陛下の取り組みの原点と言える。
 右肩上がりの昭和から、格差社会の平成に変わり、社会の分断が進む。両陛下は、共同体からこぼれ落ちそうな人たちの元に積極的に向かい、国民をゆるやかに統合する役割を果たしてきたように感じる。天皇陛下は、理想の象徴天皇としてのあるべき仕事を、高齢を理由に減らすことなく、そのまま譲りたいと考えたのだろう。
 女性宮家の問題をどうするかなど、今後の課題は多い。象徴天皇とは何か、私たち国民が考える必要性がある。

 例会では、新入会員として堀田信一日本海ツーリスト社長、交代会員として小石昌弘北國銀行魚津支店長、竹内利二日本カーバイド工業魚津・早月工場長が紹介された。

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