北日本四政経懇話会

高岡政経懇話会

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高岡政経懇話会11月例会

「日本を取り巻く安全保障環境」

【日時】令和5年11月8日(水)正午
【会場】ホテルニューオータニ高岡
【講師】森本 敏 氏(拓殖大学顧問、元防衛大臣=第11代)
【演題】「日本を取り巻く安全保障環境」
 高岡政経懇話会は8日、高岡市のホテルニューオータニ高岡で11月例会を開き、元防衛相で拓殖大顧問の森本敏(さとし)氏が「日本を取り巻く安全保障環境」をテーマに講演した。ウクライナ戦争や、懸念が高まる台湾有事などの現況や今後の展望を説明。イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘に関しては「双方を共存共栄の状態にすることが、人々が無残に殺されないようにする最後のすべだ」と訴えた。

 世界で起こっている問題について話をする。イスラエル軍とハマスの戦闘について。イスラエル軍がガザに入って本気でハマスを撃破する作戦を実行しないのは、まだその時期に至っていないからだ。本格的に攻撃するとなれば必ず民間人に被害が出るし、人質も帰ってこない。イスラエルは、徹底的にハマスを痛めつけ再び攻撃を受けない状態にしないと国家の安定が維持できないと考えている。ハマスはなんとしてもイスラエルを追い出しパレスチナ国家をつくることを目標に戦う。どちらが正しいか。どっちもどっちだ。簡単に語れる話ではない。
 ウクライナ戦争は最終段階に近づいている。ロシアは併合したクリミア半島を死守するために物資、兵員を送る。これを断ち切ろうとするのがウクライナの作戦。これで勝負が決まる。
 うまくいかなければ、ここを米欧が来春に壊滅状態にする作戦を準備しているが、その前にロシアが困り切って休戦協議が再開されることになるだろう。問題はどこが仲介するか。ロシアとも米とも話ができるインドが良いと思う。
 次は台湾の話。来年1月の総統選後、中国は何とか一国二制度で統治しようと色々な話を持ちかけるが、台湾は全て蹴ることになる。これでは説得は無理だとなり中国は武力行使を考える。台湾は米国の支援で戦わないといけないが、米国は国内世論を踏まえると、そこまでのリスクを取るだろうか。米国に対し同盟国である日本が覚悟を示さないと、台湾を守ることはできない。

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