北日本四政経懇話会

北日本政経懇話会

北日本政経懇話会事務局: 北日本新聞社事業局内
〒930-0094 富山市安住町2-14 [電話]076-445-3369 [ファクス]076-445-3559
9:00~17:00(土日祝日のぞく)

北日本政経懇話会12月特別例会

「最近の政治経済情勢について」

【日時】日時:12月7日(木) 《昼食》 12:00~12:30 《講演》 12:30~14:00
【会場】ホテルグランテラス富山
【講師】髙橋 洋一氏 嘉悦大学教授、政策工房代表取締役会長
【演題】「最近の政治経済情勢について」
 北日本政経懇話会の12月特別例会が7日、富山市のホテルグランテラス富山で開かれ、嘉悦大教授の髙橋洋一氏が「最近の政治経済情勢について」と題し講演した。内閣支持率が低下する岸田首相は「来年9月の自民党総裁選まで持たない」との見解を示し、次期首相が誰になるかが今後の日本経済を左右すると述べた。

 政府の補正予算案が成立した。経済対策はタイミングが大事で、普通は対策を全て今回の補正で入れるべきなのに、最大の柱の所得税減税が入らないのは残念。年末調整に合わせて他の対策とセットでやるために逆算して進めるべきだった。年明けの通常国会で税制改正が審議され、6月のボーナスからになるだろう。
 岸田首相は所得税減税で「税収増分を国民に還元する」と話したが、その後、鈴木俊一財務相が国会で増収分は既にないと言った。政治的なレトリックの話であって、法律上決算処理しているのは当たり前のこと。はっきり言って、財務省にはしごを外された、はめられたとしか思えない。財務副大臣の税金滞納の話を含め、倒閣につながるような話や動きが急に出てきた。
 岸田内閣の支持率は30%を切り、自民党支持率を足した「青木率」は、政権維持が難しくなるとされる目安の50%割れ目前だ。何とか沈まないでいられるのは野党が弱いからだが、岸田首相も年内解散を否定したり、来春の日米首脳会談で訪米の手はずを取り付けたりと、「岸田降ろし」への手を打っているように見える。
 高市早苗経済安全保障担当相の勉強会発足などの動き以外に、水面下でも政局はうごめいている。「ポスト岸田」として、上川陽子外相が挙がるのは「高市つぶし」だろう。茂木派の加藤勝信前厚生労働相は安倍派としては担ぎやすい。麻生派で鈴木財務相の名前まで出ているが、そうなれば緊縮財政になってしまう。
 岸田内閣は来年9月の総裁選まで持たないだろう。来春の訪米が花道か、予算成立で「ご苦労さん」となるか。次が誰かは分からないが、「ポスト岸田」は今後の日本経済の岐路となる。
 自民党派閥の政治資金パーティー券問題は、ダメージが大きいのは安倍派と二階派。あっさり修正を出せば大事にならない可能性もあるが分からない。この2派閥から推されていない岸田首相にとっては、完全に悪い話というわけでもない。

←前のページにもどる

ページトップ