北日本四政経懇話会

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となみ政経懇話会2018年9月例会

自民党総裁選と今後の政局

【日時】平成30年9月28日(金)正午から
【会場】ロイヤルホテル富山砺波(砺波市安川字天皇)
【講師】有馬 晴海氏(政治評論家)
【演題】自民党総裁選と今後の政局
 ■改憲できねば退陣

となみ政経懇話会の9月例会が28日、砺波市安川のロイヤルホテル富山砺波で開かれ、政治評論家の有馬晴海氏が「自民党総裁選と今後の政局」と題して講演した。安倍晋三首相が持論である憲法改正を実現できなかった場合、政権が否定されたことになるとし、「退陣せざるを得ない」と語った。

 安倍首相は自民党内では〝総理のプロ〟と呼ばれている。一度、退陣に追い込まれており、どうすれば国民がついてくるかを分かっている。数多くの外遊をこなし、その様子がテレビニュースで流れる。政治家はテレビに映る時間と人気が比例すると言われており、「映った者勝ち」という面もある。

 ◇金融緩和で円安誘導
 では、安倍首相はこれまで何をしてきたのか。異次元の金融緩和を行い、円安に誘導した。1ドル80円が120円になり、株価も上がった。アベノミクスによる景気浮揚で政権を引っ張っている。首相はどうしても憲法を改正したいが、9条3項の扱いで党内はずっともめていた。加えて、森友学園、加計(かけ)学園の問題もあり、任期のうちに改正できなくなった。
 そこで昨年、自民党総裁の任期を連続「2期6年まで」から「3期9年まで」に延長した。任期が終わるまでに憲法改正へと進んでいくのだろう。

 ◇〝トリプル選挙〟も
 今回の総裁選では、首相の下で当選した議員はたてつくわけにはいかなかった。それもあって、議員票の8割を獲得した。
 一方で驚いたのは、国民に近いとされる党員らの票で石破茂氏が約45%を得たことだ。「反安倍」は多く、来年夏の参院選は厳しいという声もある。首相は戦略を練り直し、心を入れ替えなくてはならない。
 ここから憲法改正に向け、国民投票まで行くのではないか。次の参院選は、憲法改正の国民投票と同時に行う可能性もある。場合によっては、衆院選も加え、〝トリプル選挙〟もあり得ると考えている。首相は好条件をそろえて勝負し、もし否決されれば、当然退陣となるだろう。総裁選の結果から、自民党の議員は石破氏なら国民から十分に支持されると思い始めている。石破氏の首相への芽も残っていると言える。

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