北日本四政経懇話会

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3月例会

ことばが変化するということ~国語辞典をつくる視点から

【日時】令和6年3月8日(金) 正午
【会場】TONAMI翔凛館
【講師】飯間 浩明氏(日本語学者、国語辞典編纂者)
【演題】ことばが変化するということ~国語辞典をつくる視点から
となみ政経懇話会3月例会は8日、砺波市三島町のTONAMI翔凜館で開かれ、日本語学者・国語辞典編さん者の飯間浩明氏が「ことばが変化するということ~国語辞典をつくる視点から」と題して講演した。言葉の変化への抵抗感に対し「子どもが成長につれ洋服を買い替えるように、日本語も社会の変化に伴い変わるのはごく自然なこと」と話した。
三省堂国語辞典の編集委員を務めている。近年はインターネットの普及に伴い、検索すれば言葉の意味が容易に分かると思われているが、決してそうではない。情報が正しいのか見極めにくい側面がある。最近はスマートフォンアプリ版の辞書もあり、外出先で調べることができる。
 辞書の編さんに用例採集という仕事がある。収録する新しい言葉の実例を集める作業だ。活字やネットのメディアに加え、街の看板やポスターなどもチェックする。最新版では約3500語の新語を載せた。
 使い方に批判を受ける言葉がある。そうした用例がなぜ生まれたのかを紹介し、弁護したい。「普通」という言葉は世紀に入り、褒め言葉として使われるようになった。これは誰が見ても無条件に良いことを端的に伝える言葉がこれまでになく、便利だったためだ。「やばい」は明治時代に「危ない」という意味で使われ、戦後に褒め言葉として定着した。ネガティブな言葉を褒め言葉として使うことは珍しくない。
 若い世代を中心に使われる「エモい」という言葉がある。心が揺さぶられる感じを表現する際に使われる。古語の「あはれなり」に意味が似ており、さまざまな場面で用いられる。こうした気持ちを表す必要に伴って生まれてきた言葉だ。今後も一見奇妙な言葉が増えていくと思うが、それは時代の変化により生まれたそれなりの存在意義がある言葉だ。

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