北日本四政経懇話会

北日本政経懇話会総会・3月例会

米国大統領選挙と国際秩序の行方 -日本の戦略は?

【日時】3月13日(水)  <総会>12:00~12:20  <昼食>12:20~12:50  <講演>12:50~14:00
【会場】ANAクラウンプラザホテル富山 (富山市大手町2-3 電話076-495-1111)
【講師】渡部 恒雄氏 氏  笹川平和財団 上席研究員
【演題】米国大統領選挙と国際秩序の行方 -日本の戦略は?
北日本政経懇話会   総会・3月例会

笹川平和財団上席研究員  渡部 恒雄 氏 
演題 日本は過度な依存脱却を  米国大統領選挙と国際秩序の行方
      
北日本政経懇話会の総会と3月例会は13日、富山市のANAクラウンプラザホテル富山であり、笹川平和財団上席研究員の渡部恒雄氏が「米国大統領選挙と国際秩序の行方|日本の戦略は?」と題して講演した。米国は社会の分断に伴い求心力が低下していると指摘。「台頭する中国が軍事力行使のハードルを下げないよう、日本は米国に過度に依存せず、防衛力を強化するべきだ」と訴えた。

 米国のバイデン政権は内政、外交両面で求心力が低下している。バイデン氏を支持する中道派と、2020年の予備選で戦ったサンダース氏を支持する急進左派が分裂しているためだ。両派に配慮した政策は一貫せず不安定で、双方が不満を持つ結果となっている。
 米国内の分裂が、国際関係の不安定化を招いている。欧州でロシアの脅威が増しているのは、米国がウクライナへの支援を停止しているためだ。バイデン政権はウクライナ、イスラエル、台湾への支援を含む予算案を議会に提出しているが、下院の共和党は反対。民主党左派もウクライナの早期停戦を望んでいる。トランプ氏が再選した場合、ロシアのプーチン大統領に対する親近感とウクライナ支援の停止を材料に停戦交渉を進めるかもしれない。ロシア優位の停戦に終われば、中国の軍事力行使のハードルを下げる可能性がある。
 第2次世界大戦後、圧倒的な富と力を持つ米国が、民主化のイデオロギーを世界で主導した時代が転換点を迎えている。日本は軍事面で米国への過度な依存をやめ、防衛力を強化して交渉の主導権を握るべきだ。中国に対しても、経済的な依存を見直す必要があるだろう。

◇例会に先立って総会を開き、2024年度事業計画を承認した。会長の蒲地北日本新聞社長があいさつした。
 例会では、交代会員として6人が紹介された。
 ▽交代会員‖奥原恒治(電通西日本北陸支社富山オフィス長)吉澤勉(大和富山店長)野村充(富山第一銀行頭取)田中英一郎(田中精密工業社長)山﨑勝(北國銀行富山支店常務執行役員富山営業部長)牧野裕一郎(牧野工業社長)

 4月例会は同月19日にオークスカナルパークホテル富山であり、小西美術工藝社のデービッド・アトキンソン社長が「日本再生のカギ」と題して講演する。問い合わせは北日本新聞社事業局、電話076(445)3369。

←前のページにもどる

ページトップ