にいかわ政経懇話会
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10月例会
「ウクライナ後のプーチン政権の思惑と日本」

【日時】10月23日(木)
【会場】ホテルグランミラージュ
【講師】小林 和男氏(元NHKモスクワ支局長)
【演題】「ウクライナ後のプーチン政権の思惑と日本」
にいかわ政経懇話会10月例会は23日、魚津市のホテルグランミラージュで開かれた。元NHKモスクワ支局長のジャーナリスト、小林和男氏が「ウクライナ後のプーチン政権の思惑と日本」と題して講演し‖写真、「ロシアで支持率の高いプーチン大統領が在任中の今が、北方領土問題解決の最後のチャンス」と述べた。
○…ロシア人の領土へのこだわりを知る必要がある。ロシアは160年前のクリミア戦争で経済が疲弊し、領土だったアラスカを米国に売った。米はアラスカで金鉱を発見し、ゴールドラッシュに沸く。ロシアのトラウマとなった。いったん獲得した領土は手放してはならないという教訓を子供の時から教え込み、愛国心につながっている。
○…ウクライナ問題の背景にはNATO(北大西洋条約機構)の動きがあった。ロシア艦隊の拠点があるクリミアの軍港使用権をウクライナから得ようとして、ロシアが危機感を募らせた。ロシア系住民が独立とロシア編入を問う住民投票をしたのはプーチン氏の手法だ。NATO加盟国が東へ広がることを懸念する大統領は、米国に一極支配させず、多極化した世界をつくることを目指している。アジア諸国との関係強化もその戦略の中にある。
○…プーチン氏が、国民性や道徳性から信用するのは中国より日本だ。以前面会した時、「すべてを柔道から学んだ。最高の教えは『修身』」と言っていた。その考えは、大統領を理解する視点にもなる。領土問題はどう解決しても国民に不満が残る。支持と信頼がないとできない。80%以上の支持率があるプーチン氏の任期はあと4年余り。次の大統領には、それほどまで支持される人物は出てこない。大統領の「引き分け」発言は歯舞群島、色丹の2島返還の意味だ。4島返還が悲願なのは分かるが、今を逃せば2島も返ってこない。
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