北日本四政経懇話会

高岡政経懇話会

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高岡政経懇話会11月例会

「2023年の日本及び世界経済の展望」

【日時】令和4年11月25日(金)正午
【会場】ホテルニューオータニ高岡
【講師】神田慶司氏(大和総研シニアエコノミスト)
【演題】「2023年の日本及び世界経済の展望」
 高岡政経懇話会は25日、高岡市のホテルニューオータニ高岡で11月例会を開き、大和総研シニアエコノミストの神田慶司氏が「2023年の日本及び世界経済の展望」と題して講演した。来年は世界同時不況の恐れがあるとしつつ「日本は財政・金融政策や経済の正常化によって、景気回復が継続する可能性がある」と話した。

 1年前、22年の経済成長率を高く予想していたが、直近の暦年ベースの見通しでは大きく外れた。なぜ外れたかというと、ウクライナ情勢の緊迫化やインフレの高進、新型コロナウイルスが影響したためで、海外経済の動きが停滞した。23年もこの三つが引き続き見通しを左右するだろう。一つのシナリオと思って聞いてほしい。
 世界的なインフレと金融引き締めなどにより、23年は欧米主要国が景気後退に陥る可能性がある。米国で23年に失業率が10%まで上昇すれば、日本もマイナス成長になるだろう。中国については、成長力はあるが「ゼロコロナ」政策が変わらず、下振れリスクがある。
 こうした中で日本経済は、実質国内総生産(GDP)の成長率が暦年ベースで2・2%増の見通しだ。日本には景気の下支え要因が多い。欧米主要国に比べてインフレは緩やかで、緩和的な金融・財政政策が継続できている。物価高についても、家計の貯蓄が60兆円超積み上がっており、足元のインフレが加速していても消費が比較的しっかりしている。また、日本人のサービス消費やインバウンド(訪日客)消費、自動車の生産は回復する余地が大きい。円安ドル高も一服するのではないか。
 日本経済にとって、ウクライナ危機による直接的な影響は小さかったと言える。例えば、減少した対ロ貿易は、日本の輸出全体の1・0%、輸入全体の1・8%と規模は大きくない。資源高などの影響で日本経済は悪化する見込みだが、腰折れするほどの打撃ではないだろう。事態が一変し、ロシアと西側諸国の武力衝突に発展すると話は変わってくる。

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