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にいかわ政経懇話会4月例会

明治日本の産業革命遺産~世界遺産登録までの道のりと今後の課題~

【日時】令和4年4月26日(火)正午~
【会場】ホテルアクア黒部
【講師】加藤 康子氏(産業遺産国民会議専務理事)
【演題】明治日本の産業革命遺産~世界遺産登録までの道のりと今後の課題~
 にいかわ政経懇話会は26日、黒部市のホテルアクア黒部で4月例会を開き、産業遺産国民会議専務理事の加藤康子氏が「明治日本の産業革命遺産~世界遺産登録までの道のりと今後の課題~」と題し講演した。世界文化遺産登録を目指す立山砂防に触れ、「絶対的に比類のない価値でないといけない。それを議論していくことが重要」と述べた。

◇立山砂防 意義付け重要
 長崎市の端島(通称・軍艦島)などを含む「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録に携わった。日本は美しい文化があるが、産業が文化であるという認識は乏しかった。産業遺産は歴史、社会、科学技術的に非常に意義があり、そうした価値があるものを世界遺産に登録したいと考えた。豊かな近代社会はどこから始まったのか、というのが原点だった。
 登録に向け、普通とは異なるアプローチをとった。8県11市にあるの構成資産で一つの世界遺産を目指した。「シリアルノミネーション」という方法だ。最初は鹿児島県の集成館が手を挙げたが、一つでは難しいとされた。遺産を数珠のようにつなげることで、幕末から明治にかけて近代国家の土台をどう作ったのかを立証すれば登録できると言われた。8エリアの中で変化の道程を世界遺産にしている。そうすることで、顕著な普遍的価値が認められた。
 課題は歴史問題。特に軍艦島は韓国の一方的な主張に悩まされた。いったん定着すると対処は難しい。日本メディアが放置しているのも問題だ。間違っていると一つ一つ訴えていかないといけない。
 立山砂防は世界遺産の可能性はある。砂防システムの意義付け次第で可能性は高い。単独かシリアルノミネーションかで言うと、シリアルノミネーションでいくべき。県をまたいだ江戸時代の遺産、明治時代になって海外の技術が入ってからの遺産となると、絶対に立山砂防が入る。あとは何を顕著な普遍的価値とするのか。技術にフォーカスし、砂防の構造物ではなく、砂防システムを包含するような形でやらないといけない。世界規模で意義付けすることが重要だ。
 
 交代会員として、武隈義一黒部市長、谷川悠魚津交通社長、澤飯公巨ホクトミ運輸社長、吉本康浩富山第一銀行魚津支店長が紹介された。

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