にいかわ政経懇話会
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にいかわ政経懇話会7月例会
「逆境の中にこそ夢がある『不可能』を『可能』に」
【日時】令和6年7月18日(木)正午
【会場】ホテルグランミラージュ
【講師】蒲島郁夫氏(前熊本県知事)
【演題】「逆境の中にこそ夢がある『不可能』を『可能』に」
にいかわ政経懇話会は18日、魚津市のホテルグランミラージュで7月例会を開き、東京大先端科学技術研究センターフェローで前熊本県知事の蒲島郁夫氏が「逆境の中にこそ夢がある 『不可能』を『可能』に」と題して講演した。「逆境の中でも一歩を踏み出す勇気が必要。120%の努力で期待値を超えていこう」と訴えた。
知事になって思ったのは、県庁文化はおかしいのではないかということだ。行政は指導、規制、管理や継続性、画一性など、何か面白くない。それより県民の幸福を最大化することが大事だと考えた。
蒲島県政の枠組みは「決断の政治」「目標の政治」「対応の政治」の三つ。決断は財政再建、水俣病、川辺川ダム問題に関わり、いずれも数十年にわたる大きな課題だった。決断は6カ月以内にしなければならないというのが、ハーバード大で最初に学んだ教授の教えだった。米大統領補佐官だった人物で、大統領でも6カ月で決断しなければ絶対にできないと話していた。難しくてもチャレンジしなければならない。
目標という面では、くまモンが誕生し、熊本市が政令指定都市となり、九州新幹線が開業した。くまモンは誕生から年間で、関連商品の売り上げが1兆4596億円に上る。対応も大事で、熊本地震と豪雨災害にどう向き合うかが大きな役割だった。
逆境から夢を拾い出そうと、熊本地震発生3日後に復旧・復興の3原則として、被災者の痛みを最小化する▽創造的復興を目指す▽創造的復興をさらなる発展につなげる|を県民に示した。災害対応で大事なのは、県民の期待を見極め、それに応えることだ。
創造的復興だけで終わらせてはいけない。日本経済の安全保障が弱いため、その一翼を九州全体で担おうという動きになった。半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が2021年月に熊本に進出。九州への経済波及効果は兆770億円とされる。
昨年月に知事を辞めることを宣言した。県民を幸せにできるかどうかが知事の務めで、今だったら若くて有能な知事を選択できると考えたからだ。新たな知事が後を継いで、半導体の拠点づくりに取り組んでくれている。人材を育てることは、不可能を可能にすることにつながると思う。
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