にいかわ政経懇話会
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にいかわ政経懇話会5月例会
今後の日本の安全保障とその課題

【日時】令和5年5月23日(火)正午~
【会場】ホテルグランミラージュ
【講師】河野克俊氏(元統合幕僚長)
【演題】今後の日本の安全保障とその課題
自衛隊は2006年に組織改編し、陸海空各隊の運用は統合幕僚長が指揮する。現在は要請がなくても自衛隊の判断で出動でき、東日本大震災での救援活動などを通じて国民の信頼感が高まった。かつては賛否の議論が起こる時代もあったが、4月のスーダンへの自衛隊輸送機派遣に対する異論は少なかった。今後さらに、自衛隊が効果的にミッションを遂行できるような体制を考えるべきだ。
ウクライナ侵攻は、ウクライナやベラルーシはロシアと一体とするプーチン氏の歴史観が背景にある。ウクライナの完全併合を狙ったが、▽目的の不明確さ▽戦力の逐次投入▽根拠のない楽観主義|によって思惑は外れた。プーチン氏が「西側諸国がウクライナを使って攻撃してくる」と言い始め、中国も付いていかないのではないか。ウクライナのゼレンスキー大統領も全ての領土の奪還を目指しており、両者ともに決定打を見いだせないまま長期化している。核を恐れて米国が軍事的に動かない中、議論が起こった韓国のように日本国内でも現実問題として考えられるべきだった。
台湾問題については、米中対立の中で日米同盟を結ぶ日本は最前線に立つことになる。中国は来年の台湾総統選で自らコントロールできる総統を立てようとしている。結果によっては習近平氏が台湾に侵攻するかもしれない。有事となれば、日本に影響がないことは考えられない。日本としては米国と一緒になって、中国に現状変更をちゅうちょさせる防衛力を持たなければならない。
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