にいかわ政経懇話会
にいかわ政経懇話会事務局: 北日本新聞社新川支社内
〒937-0041 魚津市吉島582-1 [電話]0765-24-1111 [ファクス]0765-24-1217
にいかわ政経懇話会4月例会
「結婚しない男、出ていく女~迫りくる『非婚社会』の危機と地方の未来~」

【日時】令和7年4月17日(木)正午~
【会場】ホテルアクア黒部
【講師】御田寺圭氏(文筆家)
【演題】「結婚しない男、出ていく女~迫りくる『非婚社会』の危機と地方の未来~」
にいかわ政経懇話会の4月例会は17日、黒部市のホテルアクア黒部で開き、文筆家でラジオパーソナリティーの御田寺(みたてら)圭氏が「結婚しない男、出て行く女~迫り来る『非婚社会』の危機と地方の未来~」と題して講演した。SNS(交流サイト)の発展などで、男性が恋愛に消極的になる「草食化」や、地方から東京へ女性の流出が進んでいると指摘。「地方でも充実感を得られるというビジョンを提供していくことが大事」と話した。
男性が女性へのアプローチや関係構築に情熱を懸けず、なぜ消極的になったかを深掘りすると、娯楽の多様化が大きい。今の若者にとって時間は希少。女性と付き合うまでの過程よりも、動画など身近に楽しめるコンテンツで人とのコミュニケーション欲を満たす傾向がある。
若い女性が地元から出て行くのは、仕事がないからではない。「キラキラ欲」をかなえるには東京が一番で、SNSが磁力を強めている。他人の生活を写真や動画で見て、ああなりたいと思ってしまう。新幹線開通といったアクセス向上などが流出スピードに拍車を掛けている。「大黒柱」としての役割を求められない女性と男性の責任格差も表れている。
都会に出た人の心が折れる最大の要因は、住宅問題だと考える。高い家賃など、現実はキラキラだけではカバーできない。地元に戻ればおしゃれな企業やビルがあり、「主人公として生きられる」とイメージできる場所にする。地方はこうしたビジョンが提供できていない場合もあり、掘り起こしてほしい。
大学進学を機に地元を離れる人が多く、人材確保を困難にしている。個人的な考えでは、私立大文系学部の入試で数学と理科を必修化することで、女性が首都圏の大学にストローのように吸い込まれることはなくなるのではないか。
←前のページにもどる