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北日本政経懇話会11月例会

「混迷の日本政治と石破政権のゆくえ」

【日時】令和6年11月21日(木)正午
【会場】ANAクラウンプラザホテル富山
【講師】岩井奉信 氏(日本大学名誉教授)
【演題】「混迷の日本政治と石破政権のゆくえ」
北日本政経懇話会11月例会は21日、富山市のANAクラウンプラザホテル富山で開き、日本大名誉教授の岩井奉信氏が「混迷の日本政治と石破政権のゆくえ」と題して講演した。10月の衆院選で自民党が大敗した原因は「政治とカネ」の問題だったとし、「抜本的改革が必要」と強調した。


■「『政治とカネ』抜本改革を」

 9月の自民党総裁選で石破茂氏がかろうじて勝利した。党総裁選はかつて、派閥の「総大将選」だった。いずれも派閥がブレーンを務め、政策は吟味されており、実現する道筋があった。
 ところが、派閥解体という事態が起きた今回は、候補者9人による「個人戦」だった。派閥を背負っていない彼らの訴えは個人の主張に過ぎず、実現する責任を背負いながら戦っていたとは言えない。
 野党は批判はするけれども、いざ政権を握ったら失敗するというケースがある。石破氏も「党内野党」の立場で時の政権への批判を辞さなかった。しかし、政権を取った後の戦略を練っていたとは必ずしも言えない。物事を進めようとすると、党内野党時の発言がブーメランになって戻ってくる。党内基盤は弱く、政権運営はさまざざまな方面への配慮が必要になる。
 衆院選で自民はなぜ歴史的大敗を喫し、少数与党に転落したのか。「政治とカネ」の問題を甘く見ていたことが原因だ。30数年前のリクルート事件では若手議員を軸に改革が一気に進み、政治改革大綱を発表。中選挙区制をも見直した。
 今回の政治とカネの問題は、リクルート事件よりずっと悪質だ。違法行為を組織的に長年にわたって行っており、根は相当深い。政治改革大綱を超えるものを示すべきだったが、反応は鈍かった。
 来年夏の参院選は自民にとって天王山となる。その前に、石破氏は政治とカネの問題の抜本的改革をしなければならない。全ての政治資金収支報告書をデジタル化して透明性を確保するほか、第三者機関に調査・審議を委ねるべきだ。そして重要課題である経済や外交について各党と調整し、議論を深める必要がある。残された時間は少ない。石破政権は後がないとも言え、石破氏らしさを前面に出したほうが良いのではないだろうか。

■次回は久住昌之氏

 12月特別例会は同11日に富山市の富山電気ビルであり、人気漫画「孤独のグルメ」の原作者で漫画家、久住昌之氏が「旅と散歩と孤独のグルメ」と題して講演する。問い合わせは北日本新聞社事業局、電話076(445)3369。

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