北日本四政経懇話会

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にいかわ政経懇話会10月特別例会

「アフターコロナの持続型社会~ グローバリゼーションからローカリゼーションへ」

【日時】令和5年10月26日(木)正午~
【会場】ホテルグランミラージュ
【講師】五箇 公一氏(国立環境研究所生態リスク評価・ 対策研究室室長)
【演題】「アフターコロナの持続型社会~ グローバリゼーションからローカリゼーションへ」
 にいかわ政経懇話会は26日、魚津市のホテルグランミラージュで10月特別例会を開き、高岡市で育った国立環境研究所生態リスク評価・対策研究室長の五箇公一氏が「アフターコロナの持続型社会|グローバリゼーションからローカリゼーションへ」と題して講演した。地球温暖化や生物多様性の破壊に警鐘を鳴らし「一人一人が生活様式を見直し、自然共生社会を目指す必要がある」と訴えた。

◇自然共生社会実現を
 
 動物にはさまざまな病原体が寄生し、共に進化している。ウイルスの宝庫である熱帯雨林を私たち人間が開発したことで、野生生物はすみかを奪われ、ウイルスもすみかを奪われた。ウイルスは生き残り戦略として都会にすみかを移して人間を新たな宿主として進化した。これが新興感染症の原因で、最先端の新興感染症が新型コロナウイルスだ。収まりつつあるが、新たなウイルスの襲来に備えなければならない。一番警戒しているのが鳥インフルエンザだ。今は鳥の病気だが、人型になれば猛威を振るうことが懸念されている。
 生態系は全ての生き物が無駄なく循環する永続的なシステムだ。強いものほど数が少ないピラミッド構造だが、人間が登場してシステムに狂いが生じた。人間は生態系のトップにいながら80億人というとんでもない数で、生態系は受け止める能力が進化していない。プラスチックは分解できずに蓄積して環境汚染につながり、温室効果ガスは容量オーバーになって温暖化が起きている。
 だが、生物多様性は40億年も過酷な環境を残ってきたため復元機能が進化している。定員オーバーの生き物がいれば天敵が進化する。その天敵が新興感染症で、人間が格好の餌なのだ。人間社会はウイルスとの闘いが続くことを覚悟しなければならない。新型コロナウイルスは人間社会にとって災禍以外の何物でもないが、地球環境にとっては救世主となった。
 生物多様性の保全は人間社会を持続するための安全保障で、自然共生社会をつくらなければならない。自然共生社会をつくる上で進めるべき経済行動は資源搾取型のグローバリゼーションからの脱却だ。ローカルベースでの資源循環型社会を考えるべきだ。 

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