にいかわ政経懇話会
にいかわ政経懇話会事務局: 北日本新聞社新川支社内
〒937-0041 魚津市吉島582-1 [電話]0765-24-1111 [ファクス]0765-24-1217
にいかわ政経懇話会10月例会
韓流にみる韓国社会の変化と日本の若者

【日時】令和4年10月27日(木)正午~
【会場】ホテルグランミラージュ
【講師】春木 育美氏(聖学院大学政治経済学部教授)
【演題】韓流にみる韓国社会の変化と日本の若者
にいかわ政経懇話会は27日、魚津市のホテルグランミラージュで10月例会を開き、聖学院大政治経済学部教授の春木育美氏が「韓流にみる韓国社会の変化と日本の若者」と題して講演した。韓国の音楽や食、ファッションに日本の若い世代が魅了されている理由について「身近なのに『見慣れないかわいさ』がある。『ここにはない何か』を求める若者にフィットした」と話した。
◇文化戦略に先見の明
女性グループの少女時代やKARAが日本に進出した2010年代前半、彼女たちの目標は日本での成功だった。それが近年、BTSは世界的なスターになり、映画「パラサイト 半地下の家族」は米アカデミー賞作品賞を受賞。躍進は目覚ましいものがある。
背景には1997年のアジア通貨危機による混迷から脱しようと、政府が文化・コンテンツ産業の振興に着目したことがある。この分野を伸ばすため、国家予算を集中的に投入し、映画監督や脚本家らの育成に力を入れた。クリエーターが潤う仕組みが整い、優れた才能が集まってきている。
日本の韓流ブームをけん引しているのは若い女性だ。訪韓日本人は20代女性が圧倒的に多い。
その理由としては、韓国人が身近な風貌でありつつ美意識が高い点や、格好良く自信に満ちた女性になりたいという変身願望をこの国のアイドルは満たしてくれる点などが挙げられる。韓国ドラマの好きな母親と親子で一緒に楽しめることも影響しているだろう。
ドラマ鑑賞からロケ地巡りを始めたり、アイドルの肌の美しさを知って韓国製のコスメを買い求めたりと、韓流は総合ビジネスと言える。この文化戦略は国家と民間が連携して推し進めてきたもので、先見の明があった。日本にも素晴らしいコンテンツがあり、盛り返すことも十分可能だと思う。
←前のページにもどる