北日本四政経懇話会

にいかわ政経懇話会

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10月例会

「現代に活かす戦国武将の健康力」

【日時】平成29年10月26日(木)正午~
【会場】ホテルグランミラージュ
【講師】植田 美津恵氏(医学ジャーナリスト)
【演題】「現代に活かす戦国武将の健康力」
 にいかわ政経懇話会の10月例会は26日、魚津市のホテルグランミラージュで開かれ、医学ジャーナリストで医学博士の植田美津恵氏が「現代に活(い)かす戦国武将の健康力」をテーマに講演した。植田氏は武将がかかった病気や、その予防法、自身の乳がん体験などを交え、「誰かのために、何かのために生きることを考えてほしい」と目標や生きがいを持つ大切さを説いた。

徳川家康は戦国武将の中では比較的長生きで75歳まで生存した。
▽ 質素な食生活
  生活を振り返ると食べ物は質素だ。麦飯を中心として、豆みそを使った具だくさんのみそ汁が基本。昔の赤米や黒米、玄米、麦飯は食物繊維や栄養が豊富。足腰の鍛錬になる鷹狩りが好きで、栄養価が高い旬の物を食べるこだわりもあった。薬草を学ぶなど自分の体に関心を持っていた。  
 家康と上杉謙信、後に貝原益軒が言った「腹八分目」は正しい。サルに餌を与えた研究では、腹七~八分目の方は長寿遺伝子がオン、いつもおなかがいっぱいの方はオフの状態が維持された。オフは細胞の老化、見た目の老化、病気のなりやすさにつながる。  
 介護が必要になる一番の原因は脳血管疾患だ。謙信は脳卒中のために亡くなったとされる。酒の飲み過ぎが原因で、晩年は言語障害や体の不自由もあったようだ。早い段階は本人に自覚はなく、言動などから周りの人が気付いてあげると早期発見につながる。  
 豊臣秀吉は晩年、尿失禁や意識障害があったようだ。前立腺がんが脳に転移していた可能性もある。尿道が狭くなるので頻尿、残尿感などがあるときは前立腺の肥大やがんが疑われる。本能寺の変を起こした明智光秀は老人性のうつや、少し認知症があったことも考えられる。認知症予備軍と診断されても脳トレで半分の人は正常に戻ることを知ってほしい。水分摂取も記憶力の回復がかなりの確率で見られ、1日2㍑とされる。

▽恋をしよう
 私自身、2度も乳がんを体験した。どう闘病生活を乗り越えたのか、武将から学んだことをまとめた。側室ではないけれど、芸能人やスポーツ選手でもいいので恋をすると生き生きとする。苦しい時も笑えば、そこから早く抜け出せる。運を天に任せて開き直ると人間は強くなる。弱音を吐いたりできる人を持とう。誰かの、何かのために生きていると「死ねない」という気持ちが湧いてくる。 
 

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