となみ政経懇話会
となみ政経懇話会事務局: 北日本新聞社砺波支社内
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次回例会のご案内

【日時】令和7年11月13日(木) 正午
【会場】TONAMI翔凜館
【演題】「映像で考えた戦争といのち」
【講師】河邑厚徳氏(映画監督、元NHKエグゼクティブプロデューサー)
◆プロフィール
1948年生まれ、愛知県出身。東京大学卒業後、1971年NHK入局。制作局・NHKスペシャル部などに所属し、NHK特集シルクロード取材班、インターネットドキュメンタリー「地球法廷」、NHKスペシャル「アインシュタインロマン」、BSスペシャル「チベット死者の書」などを手掛ける。NHK定年退職後、女子美術大学教授、大正大学教授、早稲田大学講師などを務める。映画作品として「天のしずく 辰巳芳子いのちのスープ」「大津波 3.11未来への希望」「笑う101歳 笹本恒子 むのたけじ」など、主な著書に「NHK特集 シルクロード」「60分間の残照~ドキュメントがん宣言~」など多数。現在は映像ジャーナリストとして、次世代に未来を生きる勇気と知恵を伝えることが責務と命じ活躍中。
これまでの例会
【日時】令和7年10月17日(金) 正午
【会場】TONAMI翔凜館
【講師】西島豊造氏(株式会社スズノブ代表取締役、五ツ星お米マイスター)
【演題】「五ツ星お米マイスターが見た令和のコメ騒動」

となみ政経懇話会10月例会は17日、砺波市のTONAMI翔凜館で開かれ、スズノブ代表取締役で五ツ星お米マイスターの西島豊造氏が「五ツ星お米マイスターが見た令和のコメ騒動」と題して講演した。米価高騰の経緯について、政府が需給を見誤ったことや報道の過熱によって「バイヤーや消費者が産地に直接買いに行く動きが広がり、従来の流通ルートが機能しなくなった」と説明。米離れを防ぐため、適正な価格水準とする必要性を訴えた。
令和の米騒動は終わっておらず、むしろ悪化している。いま5キロで千円台の米は全くなく、4千円を超えるのが当たり前の状況だ。
背景には、政府が米の需要を長年見誤ったことがある。米の消費量は減っているとしてきたが、一般家庭の消費量は伸びていると感じていた。インバウンドの実態も把握できていなかった。農家による直接販売やふるさと納税、ネット購入が増え、全体を把握するのは不可能になった。
供給面では米の生産調整が続いてきた。さらに作況指数は実態を反映しておらず、流通量の実感は例年、政府が示す数字より2割ほど少ない。おととしは明らかに作況指数の指標より3割少なかった。
お盆は新米と古米の入れ替え時期で、在庫も少なくしている。働き方改革の影響で物流が減り、昨夏は東京のスーパーで一時的に品薄となったのだが、報道によって過熱してしまった。ちょうど稲刈り時期と重なり、バイヤーや消費者が高値で産地から直接購入する動きが広がった。JAの概算金よりも高い価格を提示し、価格競争が起こってしまった。従来の流通ルートが機能しなくなり、今年も同様の状況だ。裏のルートに米が流れ、価格もバブル的に値上がりしている。
備蓄米の在庫がなくなると米国のカルローズが最も安くなり、日本の米は売れなくなる恐れがある。スーパーでの適正価格は5キロ当たり平均3500円と考えている。消費者に食べてもらうためにも、価格水準を下げなければいけない。
富山の米はとてもレベルが高い。「富富富」はあっさりとして、冷たいおかずや白身魚との相性は抜群。高温でも品質を保つことができるほか、いもち病に強く農薬の使用量を減らせるなどの特長があるので、SDGs(持続可能な開発目標)の視点に当てはめて魅力を発信するのはどうか。現在の日本には、さまざまなニーズがある。熱量を持ってPRしてほしい。