高岡政経懇話会
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高岡政経懇話会9月例会
「トランプ政権が変える米国、世界・日本・富山への影響は?」

【日時】令和7年9月9日(火)正午
【会場】ホテルニューオータニ高岡
【講師】今村 卓氏(丸紅経済研究所社長)
【演題】「トランプ政権が変える米国、世界・日本・富山への影響は?」
高岡政経懇話会は9日、高岡市のホテルニューオータニ高岡で9月例会を開き、丸紅経済研究所社長の今村卓氏(高岡市出身)が「トランプ政権が変える米国、世界・日本・富山への影響は?」と題して講演した。関税措置をはじめとするトランプ米政権の政策について説明し「世界経済は減速するだろう」と予想。県内企業の戦略として「成長の見込める海外市場はある。そこへの進出や投資に力を入れるべき」と語った。
トランプ氏は、労働者を優先する方針を打ち出している。米連邦準備制度理事会(FRB)に圧力をかけるなど、平気で市場介入するのも特徴だ。
高関税政策は、就業者数が減っている米国内の製造業を守ることが目的。ただし、「保護」によって海外企業との競争が生まれにくくなる側面があり、製造業の成長・復権を実現できるかは不透明と言える。
日本など複数の国の相互関税が15%となり、世界的大恐慌に陥る心配はなくなったが、それでも世界経済の減速が予想される。中でも中国の影響が大きい。中国は設備投資に力を入れて輸出を増やす戦略を長年続け、生産能力が過剰になっている。個人や家計を豊かにし、内需を拡大させる経済政策を実行すれば、成長期間を維持できたと思う。
日本経済に目を向けると、米関税を巡る不確実性や企業収益の悪化が下押し圧力だが、人手不足に対応するための投資は続くことが見込まれる。人口減少に伴い人材の価値は高まっており、賃金も上昇していくだろう。バブル崩壊やデフレという荒波の中で、たくさんの企業が生き残ってきたことも強みだ。
来年はインフレが落ち着く可能性もあり、日本や富山の企業は、将来への戦略を進める必要がある。発想を豊かにすることが大切で、米国やインド、東南アジア諸国連合(ASEAN)などに進出・投資をしてほしい。

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