北日本四政経懇話会

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北日本政経懇話会9月例会

東日本大震災から10年 復興の姿と企業の役割

【日時】令和3年9月22日(水)午前10時30分~
【会場】ホテルグランテラス富山
【講師】岡本 全勝氏 (復興庁元事務次官・元富山県総務部長)
【演題】東日本大震災から10年 復興の姿と企業の役割
 北日本政経懇話会は22日、富山市のホテルグランテラス富山で9月例会を開き、元復興庁事務次官で元県総務部長、岡本全勝(まさかつ)氏が「東日本大震災から年|復興の姿と企業の役割」と題して講演した。まちの復興には民間企業の貢献も大きかったとし「危機の時だけでなく平時から、県や市町村と民間が連携してほしい。それが未来に向けてのお願いだ」と呼び掛けた。
 2011年の東日本大震災発生直後から(復興庁事務次官、福島復興再生総局事務局長なども含めて)10年近く復興に関わった。発生直後に指揮を執ったのが被災者生活支援本部の事務局だ。まず生活物資を届けたが、畳や暖房が欲しい、ガソリンが必要、などと次々に課題が出てくる。何からするか、何ができるか、誰を動かすかを考えた。
 土地のかさ上げと集落の高台移転も進め、約5年間でかさ上げは3県の17市町村17地区、高台移転は4県の27市町村324地区になった。想像を絶する数だ。
 日本の政策の大転換もあった。防潮堤や道路、公営住宅を造るのが従来の復旧だが、まちのにぎわいの復興のため、産業となりわいの再生、コミュニティーの再建も進めた。国だけでなく企業やNPOの皆さんが助けてくれたからできた。
 約年でいろんな新しいことをやったが、現場に行かなかったら絶対思いつかなかった。現場力が大事。そして、危機の時だけでなく平時から、県や市町村と民間が連携してほしい。それが未来に向けてのお願いだ。若い人が意見を交わし一つでも二つでもヒットする新事業が生まれれば、企業の宣伝になるし職員の成功体験になる。一歩踏み出し、風穴を開けてほしい。
 県の総務部長として4年間仕えた故中沖豊さん(元県知事)にも触れておきたい。中沖さんは北陸新幹線の整備に命を懸け、注いだ情熱は非常に大きかった。北陸新幹線に乗るたびに思い出し、感慨無量になる。

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