
北日本政経懇話会9月例会
「米中首脳再会談の行方と日中関係の新動向-日本企業の中国ビジネス戦略のあり方」

【日時】令和8年9月15日(火)正午
【会場】富山電気ビル
【講師】柯 隆 氏(東京財団政策研究所常勤研究員)
【演題】「米中首脳再会談の行方と日中関係の新動向-日本企業の中国ビジネス戦略のあり方」
北日本政経懇話会9月例会が15日、富山市の富山電気ビルで開かれ、東京財団政策研究所常勤研究員の柯隆(かりゅう)氏が「米中首脳再会談の行方と日中関係の新動向-日本企業の中国ビジネス戦略のあり方」と題して講演した。中国経済は不動産不況や若者の雇用不安を背景に消費の低迷が深刻化しているとして、「日本企業も市場動向に注意すべきだ」と指摘した。
日中関係が不安定だ。8月末にも、超党派の国会議員団が北京で中国共産党の幹部と会談したが、関係改善の糸口は見いだせない。高市早苗首相による台湾有事を巡る国会答弁が不安定化の原因だとする見方もあるが、私は両国が外交上の価値観や最低限のルールを十分共有していないことが問題だと思う。
1980年代の日中友好は今となっては幻だ。当時に戻ることはできず、関係はしばらく平行線だろう。むしろ現在の「クールダウン」のタイミングを大事にし、互いを見つめ直す必要がある。政治の介入をできる限り排除し、民間主導の文化交流を中心とした日中関係を構築すべきだろう。日本は人手不足で、特にイノベーションを生む高度人材の受け入れが必要。対中国を含む外国人政策を見直さなければならない。
台湾有事が発生する可能性は、現時点では限りなく低いとみている。中国軍では幹部の粛清と主要ポストの空席が続き、大規模な武力行使を実行する能力はない。習近平国家主席は今後も、台湾侵攻の可能性を外交カードとして持ち続けるだろうが、まずは国内経済の低迷という内政課題への対応を優先すべきだ。
中国経済は近年、米国による制裁関税や「ゼロコロナ政策」でのロックダウン(都市封鎖)、不動産バブルの崩壊などが重なり、長期停滞に陥っている。日本の「失われた30年」よりもさらに厳しい状況で、40年、50年と低迷するのではないか。若者の失業率が高く、消費が抑制され、ブランド品など高価な物が売れなくなっている。日本企業は高度な技術力を生かし、付加価値の高い商品を売ることを得意としているだけに、こうした市場の変化に気をつけなければならない。
10月例会は19日に富山市のホテルグランテラス富山で開き、ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(Bリーグ)専務理事の佐野正昭氏が講演する。問い合わせは北日本新聞社事業局、電話076(445)3369。

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