
にいかわ政経懇話会4月例会
人生100年時代の学び方~老いてこそデジタルを

【日時】令和5年4月25日(火)正午~
【会場】ホテルアクア黒部
【講師】若宮正子氏(「世界最高齢」のプログラマー)
【演題】人生100年時代の学び方~老いてこそデジタルを
にいかわ政経懇話会は25日、黒部市のホテルアクア黒部で4月例会を開き、「世界最高齢のプログラマー」として活動する88歳の若宮正子さんが「人生100年時代の学び方|老いてこそデジタルを」と題して講演した。政府のデジタル田園都市国家構想実現会議のメンバーを務め、「私のように80歳を過ぎて芽の出る人もいる。生涯、学び続けることが大事だ」と訴えた。
コンピューターは銀行に勤めていた頃から親近感があり、58歳の時に今のパソコンに近いものが発売されると、おもちゃを与えられた子どものように興味津々にいじり、楽しんだ。インターネットが一般の人も使えるようになり、海外に興味を持った。英語を学んで海外の人とも付き合い、自分の世界を広げていった。
定年退職後は海外との付き合いも本格化し、2017年にアップル社のCEOと面会。18年には国連の社会開発委員会でスピーチした。ゲームアプリを開発し、政府の人生100年時代構想会議のメンバーにも選ばれた。大臣に高齢者の悩みを訴えるため、政府の仕事には積極的に参加している。
昨年6月に国連の世界幸福度ランキング2位のデンマークに行ってきた。ペーパーレス社会で、行政から紙の通知は来ない。ネットを使えないとどうなるのかと思うが、家族のつながりが強く、家族で教え合っている。家族に頼れない人は自治体職員が教え、高齢者施設ではIT教育が行われている。法律も整備され、死ぬまでITと付き合うようになっているのだ。
人生100年時代に大事なのは創造的に生きること。そして生涯を通して学び続けることだ。子どもが勉強嫌いになることが一番不幸なこと。成績や志望校に入れるかどうかは二の次、三の次。勉強の楽しさを知り、大人になってほしい。
大人は体験や仕事、生活を消化し、発酵、熟成させて、英知や知恵につなげてほしい。英知や知恵がAIと共存していく上でのキーワードになる。そして友達の輪を広げていく。これからは帰属意識の高い「フォルダー型」ではなく、さまざまなことに興味を持つ「ハッシュタグ型」の人間にならなくては駄目。私も大いに勉強し、成長していきたいと思っている。
◇講演に先立ち、新入会員として県議の寺口智之氏が紹介された。
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