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となみ政経懇話会4月例会

「いま中国で何が起きているのか? ~『習近平体制』の現状と課題~」

【日時】令和5年4月13日(木)正午~
【会場】TONAMI翔凜館
【講師】興梠一郎氏(神田外語大学教授)
【演題】「いま中国で何が起きているのか? ~『習近平体制』の現状と課題~」
 となみ政経懇話会4月例会は13日、砺波市三島町のTONAMI翔凜館で開かれ、神田外語大の興梠(こうろぎ)一郎教授が「いま中国で何が起きているのか?習近平体制の現状と課題」と題して講演した。興梠教授は「日中の力関係が逆転したのを認識し、経済と安全保障のバランスを考えなくてはならない」と話した。

◇日中の力の逆転 認識を
 現在の日中関係で深刻なのは、北京でアステラス製薬の日本人男性がスパイ容疑で拘束された問題だ。林芳正外相が北京で習近平国家主席の側近、李強(りきょう)首相に早期解放を求めたが、この場で李首相が持ち出したのは米国、オランダ、日本による中国向け半導体製造装置の輸出規制を取りやめよという話だ。日本の中国への経済的依存度は高く、中国は「何をしても日本は反抗できない」と考えている。
 台湾の蔡英文(さいえいぶん)総統の訪米に対抗して中国が今月に台湾を包囲する形で実施した軍事演習で、中国空母「山東」が台湾の東側を北上した。台湾東側の航行は初めてのことだ。蔡総統や米国は中国を刺激しないよう一定の配慮をしているが、中国側には今までの遠慮がなくなったと言える。
 台湾を軍事的に攻撃するメリットは全くなく、脅しによって台湾社会を内部から分断して戦意を失わせるのが狙いだ。しかし、台湾が独立しようとしたり米国がそれを支持したりすれば、中国はメンツに懸けて必ず戦争をするだろう。「台湾有事は日本の有事」という言葉を聞くが、もっと覚悟を持って口にすべき言葉だと思う。
 中国は急激に力を高めた。「もはや日本から援助を受ける国ではない」と早く認識すべきだ。日中関係は経済と安全保障のバランスがテーマとなるが、日本はそのために技術、軍事、財政、教育などで総合的な国力のアップを図らなければならないと考える。

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