北日本四政経懇話会

となみ政経懇話会

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となみ政経懇話会9月例会

「だまされる被害の心理:デジタル時代に求められる消費者力とは?」

【日時】令和7年9月12日(金) 正午
【会場】TONAMI翔凜館
【講師】西田公昭氏(立正大学心理学部 対人・社会心理学科教授)
【演題】「だまされる被害の心理:デジタル時代に求められる消費者力とは?」
 となみ政経懇話会9月例会は12日、砺波市のTONAMI翔凜館で開かれ、立正大心理学部対人・社会心理学科教授の西田公昭氏が「だまされる被害の心理:デジタル時代に求められる消費者力とは?」をテーマに講演した。巧妙なだましの手口やだまされてしまう消費者の心理を紹介しながら、「怪しさに気付き、見抜くための知識を身に付けてほしい」と語った。
 今年上半期の特殊詐欺被害件数は、すでに昨年1年間を超えた。統計上、直近の被害者は20、30代を含めた若い世代が多く、固定電話からスマホユーザーがターゲットになってきている。内容としては「ニセ警察詐欺」が増えている。
 被害を調査すると、大抵の人は「やられた」と無力感に陥り、羞恥と自責から人に言わない。現実逃避し、深く対策を取ろうとしない傾向にある。消極的な対処では被害は減らない。
 詐欺や悪徳商法の被害に遭わない心理対策を紹介したい。お金の話や個人情報の提供を求められるような場面では、料理の秘訣に似て「さしすせそ」の対策が大事になる。
 さっと警戒モードに切り替えるのが「さ」。しっかり相手と内容を確かめる「し」が重要になる。今すぐアップデートしなければいけない詐欺の手口に、巧妙な偽情報「ディープフェイク」の技術がある。ある程度見抜くために、メールでは宛先やURL、差出人を精査したい。
 すぱっと怪しさに気付き、見抜くのが「す」だ。日常の購買行動で、時間や数量の限定を強調する希少性や、有名人を勝手に宣伝に使って頼らせようとする権威づけなどが起こり得る。「ヒヤリ」「ハッ」との場面をイメージして訓練しておくことが必要になる。
 合理的な判断をするには感情のコントロールが大事。精いっぱい気持ちを落ち着かせ、揺さぶられた感情を抑え込むのが「せ」。最後の「そ」は即相談のこと。警察や消費者センター、家族、友人らに相談してほしい。
 社会で今欠けているのは連携対策。警察ばかりでなく、産学官が協力して詐欺に対処しなければならない。

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