高岡政経懇話会
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高岡政経懇話会5月例会
「トランプ政権の政策と日本の戦略」

【日時】令和7年5月23日(金)正午
【会場】ホテルニューオータニ高岡
【講師】渡部 恒雄氏(笹川平和財団 安全保障研究グループ上席フェロー)
【演題】「トランプ政権の政策と日本の戦略」
高岡政経懇話会は23日、高岡市のホテルニューオータニ高岡で5月例会を開き、笹川平和財団上席フェローの渡部恒雄氏が「トランプ政権の政策と日本の戦略」と題して講演した。トランプ政権が米国の従来方針を転換し、経済や安全保障の国際秩序を劇的に変化させていることから、日本は日米同盟を維持しつつ、自立性を高めて過度な米国依存を減らしていくことの必要性を訴えた。
第2次世界大戦後の日本は恵まれていた。米国はソ連との競争の中、日本を「自由主義陣営の方が豊かだよ」というモデルとして戦後構想に組み込んだ。日本はあまり軍備にお金をかけず、経済成長に資源を集中させて豊かになることができた。この戦略が「吉田ドクトリン」。トランプはこれを解体しようとしている。同盟国を含め世界への持ち出しが多すぎるので「自分たちで国を守れ、豊かになりたければ自分たちで努力しろ」と。
トランプは2024年の大統領選の後、「圧勝したから、やりたいことは何でもやれる」と言っているが、本当は辛勝だ。経済対策、特に物価を下げてほしいという期待と、メキシコからの不法移民を減らしてほしいとの期待で票が集まった。議会選挙でも大統領に人気があれば共和党の議席は増えるはずだが、さほど勝っていない。
米国は日本が頼る相手としてはあまりにも弱くなり、方針も変わった。日米同盟を「プランA」とするなら、それを維持しながら、日本が経済、安全保障面で自立性を高める「プランAプラス」が必要。例えば、反撃能力を高めて日本が主体性のある防衛をすることや、オーストラリア、英国、インド、韓国などとの横の連携を強化することがある。
ロシア、中国とはコミュニケーションチャンネルを維持して危機管理をすることが大切だ。
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