北日本四政経懇話会

高岡政経懇話会

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高岡政経懇話会6月例会

「タイパ化する世の中~倍速視聴から見えるZ世代の消費傾向」

【日時】令和6年6月11日(火)正午
【会場】ホテルニューオータニ高岡
【講師】稲田豊史氏(ライター、コラムニスト、編集者)
【演題】「タイパ化する世の中~倍速視聴から見えるZ世代の消費傾向」
 高岡政経懇話会は11日、高岡市のホテルニューオータニ高岡で6月例会を開き、コラムニストの稲田豊史氏が「タイパ化する世の中~倍速視聴から見えるZ世代の消費傾向」と題して講演した。1990年代半ば以降に生まれ、交流サイト(SNS)を使いこなす「Z世代」の高い発信力に注目し、「人口が少なく可処分所得が少なくても、Z世代に向けた商品開発は怠るべきではない」と述べた。


 Z世代を中心に、映像作品を早送りして見る「倍速視聴」や10秒ずつ飛ばして見るスタイルが広がっている。倍速視聴の経験がある人は、3月の民間調査で20~60代の半数近くに上り、20代女性は61・8%と最も高い。
 定額制動画配信サービスや無料メディアが普及し供給作品が増えすぎたことで、映画やドラマは「鑑賞」から「消費」に変化した。消費となれば、少ない時間でたくさんの物を得た方が得で、ある事にかけた時間から得られる見返りや利益を意味する「タイパ(タイムパフォーマンス)」という言葉も生まれた。
 映像作品は友人らと話題を共有し、SNSで発信するためのコミュニケーションツールになっているため、話題の作品を効率よく視聴する必要がある。
 今の若者は、時短や効率を求める風潮が広がり、仕事や生活を効率よく行う「ライフハック」信仰により「回り道=情報弱者=失敗」という考え方がまん延する中で育った。時間を無駄にしたくないからネタバレもOKだ。お金も時間もない若者がタイパを重視し失敗を避けるのは、失敗した者に厳しい日本社会で大人がつくった環境が影響している。
 Z世代は、分かりやすさや、結論を先に提示しているもの、直感的な表現に食指が動き、どんな商品かよりも、誰が作り、誰が使い、誰が薦めているかを重視する。シンプルに手早く伝えることが必要で、テキストより動画を好む。こうした傾向を踏まえた上で、サービスや商品、人材の開発をしてほしい。

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