となみ政経懇話会
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となみ政経懇話会5月例会
「レジリエンスのない企業は生き残れない!~環境の世紀のキーワード」
【日時】平成29年5月26日(金)正午から
【会場】TONAMI翔凜館
【講師】枝廣 淳子氏(東京都市大学環境学部教授・幸せ経済社会研究所所長)
【演題】「レジリエンスのない企業は生き残れない!~環境の世紀のキーワード」
となみ政経懇話会の5月例会は25日、砺波市のTONAMI翔凜館で開かれ、東京都市大環境学部教授・幸せ経済社会研究所所長の枝廣淳子教授が「レジリエンスのない企業は生き残れない!~環境の世紀のキーワード」と題して講演した。レジリエンスを「外からの力に折れずに立ち直れる、しなやかな強さ」と説明し「地球温暖化が進む現代では、企業や社員、地域のレジリエンスを高めていくことが大切」と語った。
◇温暖化の影響
温暖化による影響は決して避けられない。今や世界中が危機感を持っている。日本に直接の被害がなくても、国外で起きた影響が日本に及ぶこともある。温暖化は政府だけでなく企業や投資家も考える必要がある環境問題だ。
特に化石燃料の消費に対する世界の目は厳しい。石炭や石油などを使っている会社に投資をしない動きが広まっている。今後化石燃料の価格がどんどん上がることを考え、太陽光など再生可能エネルギーの利用に切り替えていかなければならない。
◇ビジネスチャンス
将来のために二酸化炭素の排出量を減らすことは大切だが、同時に気候の変化にどう対応するかも重要。外で働く従業員がいるなら高温対策をする、新たに工場を建てるなら海面水位の変動や洪水の影響を受けない場所にするなど、いざという時の適応策を考えておいてほしい。
温暖化に備え、先手を打つことはビジネスチャンスにもつながる。既に国内外の企業が「適応ビジネス」に乗り出している。例えば、国内の食品会社は高温でもおいしい原料が育つ品種を導入し、オランダの建設会社は、水害に対応できるよう、水面に浮いている家を開発した。顧客が温暖化の影響で抱く悩みをいかに解決するかは、アイデア次第で新たなビジネスになる。
◇持続可能な企業
組織のレジリエンスを高めるには、多様性を生かすことが鍵となる。老若男女、多国籍など、社内のさまざまな人と意見交換できる企業こそレジリエンスが高く、外界の変化に左右されない持続可能な企業と言える。社内研修などで、逆境に負けない〝心のレジリエンス〟が高い社員を育てることも大切だ。
地域内で、事業者同士の関係を深める必要もある。大手企業の下請けではなく、共同受注事業として〝横請け〟するようにする。集団の中で仕事を回し合えば、新たな仕事と所得が生まれ、経営者の手で地域経済を取り戻すことができる。
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