北日本四政経懇話会

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2021年の経済展望

【日時】令和2年12月8日(火)正午~
【会場】富山第一ホテル
【講師】熊野 英生 氏(第一生命経済研究所首席エコノミスト)
【演題】2021年の経済展望
 北日本政経懇話会12月例会が8日、富山市の富山第一ホテルであり、第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生氏が「2021年の経済展望」と題して話した。景気回復について製造業はV字回復するものの、サービス業はデフレ圧力で厳しいとの見通しを示し「ばらつきが大きい展開になる」と述べた。
 新型コロナウイルスのワクチン接種が始まった。市場では海外でワクチンの使用許可が出たことで株価が上がった。集団免疫を獲得できれば、人から人への感染力が落ち、収束に向かうだろう。
 日本では無料接種となる。背景には東京五輪を実現させたいという政府の思いがあるのだろう。五輪が始まる7月までに国民の7~8割が接種を受ければ、日本に訪れても大丈夫という安全宣言になる。地方へのインバウンド(訪日外国人客)も期待できる。
 経済情勢は好材料と悪材料が交錯している。ワクチンを接種しても感染が収束しなければ、観光、娯楽、外食産業で連鎖的に破産が起きる可能性がある。五輪が開催できないと、インバウンド回復のもくろみも外れてしまう。
 モノの消費は巣ごもり需要やテレワーク需要で正常化しつつある。しかし、外食や旅行などのサービス業は厳しい。コロナは不安心理を増幅させる。誰が感染しているか分からないから外出できない。社会不安を低下させる措置が必要だ。
 日本経済は製造業の輸出が良くなることで企業収益が改善し、回復に向かう傾向がある。しかし、賃金や雇用の回復ペースは、コロナ対応で企業が人件費などの固定費を減らしたことで鈍いだろう。消費の回復が遅れれば、物価は下がる。製造業はV字型回復となるが、サービス業など非製造業の回復は低調になるだろう。

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