高岡政経懇話会
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高岡政経懇話会11月例会
「総選挙の結果と石破政権の行方」
【日時】令和6年11月15日(金)正午
【会場】ホテルニューオータニ高岡
【講師】伊藤惇夫氏 (政治アナリスト)
【演題】「総選挙の結果と石破政権の行方」
高岡政経懇話会は15日、高岡市のホテルニューオータニ高岡で11月例会を開き、政治アナリストの伊藤惇夫氏が「総選挙の結果と石破政権の行方」と題し講演した。衆院解散総選挙における自民党大敗と野党躍進の要因を分析し、石破政権の支持率回復には思い切った政治改革が必要だと提言。日本の諸問題解決に向け「自民と政策を競い合わせる政党が必要だ」と訴えた。
衆院選の自民惨敗の要因は、ベースに裏金問題があったのは間違いないが、決定打になったのは選挙戦中に非公認候補が代表を務める政党支部に公認候補の政党支部と同額の2千万円を支給した執行部の判断だ。裏公認と受け止められても仕方がなく、これに対する石破茂首相や森山裕幹事長の説明もひどかった。これが反発を生み、自公の過半数割れにつながった。
敗北の責任は誰にあるか。まずは裏金議員。岸田文雄前首相、石破首相の対応にも問題があった。とりわけ問題発覚時の岸田氏の対応は極めて生ぬるいもので世論の反発を招いた。戦術的には森山氏の責任だ。石破氏は渋ったのに早期解散を進めた。2千万円の支給も権限があったのは森山氏。打つ手が全て裏目に出た。
一方で野党は躍進し、特に立憲民主党が大きく議席を増やした。多くの有権者が「どうすれば自民におきゅうを据えられるか」と考えた結果、対極にいる立憲民主に投票したのではないか。国民民主党も伸びた。「103万円の壁」の見直しなどを訴え、裏金問題よりも自分の生活のことに関心のある有権者にうまくはまったのだろう。石破氏は、小手先でない抜本的な政治改革を進め、少しでも良いイメージを取り戻さないといけない。
今回の選挙で自民の1強は崩壊したが、全国に組織の根を張っており、いずれ復権するだろう。国会に適度な緊張感を生むためには野党も責任を持つ必要がある。自らは発光せず、光を反射させることでしか存在できない「惑星」ではいけない。小さくてもいいから、自民の対極で愚直に政策を訴え、自ら光を放ち続ける「恒星」が必要だ。
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