高岡政経懇話会
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高岡政経懇話会9月例会
「米社会の動向と大統領選の展望」
【日時】令和6年9月13日(金)正午
【会場】ホテルニューオータニ高岡
【講師】渡辺 靖氏(慶応義塾大教授)
【演題】「米社会の動向と大統領選の展望」
高岡政経懇話会は13日、高岡市のホテルニューオータニ高岡で9月例会を開き、慶応大教授の渡辺靖氏(アメリカ研究)が「米社会の動向と大統領選の展望」と題し講演した。今回の大統領選を「まれに見る接戦」とし「単に選挙の勝敗だけでない歴史的な意味を持つ」と述べた。
討論会の出来が悪くバイデンが撤退したり、トランプが暗殺されそうになったりと波乱の展開が続く選挙戦となっている。ハリスとトランプの討論会はハリスが優勢だったとの見方が大半だが、当落は決め打ちできない。世論調査は結果にばらつきがあるがほぼ互角。どちらが勝ってもおかしくない、まれに見る接戦だ。
今後のポイントは激戦州。その中で態度を決めかねている穏健派の票をどれだけ集められるか。トランプは銃撃への同情を集めて温和にしているというのが陣営の当初戦略だったが、ふたを開けてみれば、つい自らの岩盤支持層に受けそうな過激な発言をしてしまっている。ハリスは少し前まで左派的な発言をしていたが、政治の中心に近づくに従い中道に寄ってきており、立場が変節していると攻撃されやすい。バイデン政権との連帯責任も問われがち。ともに弱点がある。
米国はリベラルが民主党で保守が共和党。対立はあるが、民主党ではクリントンやオバマ、共和党ならブッシュ、レーガンといった中道派がいて、両党で基本的な価値観は共有してきた。ところが両党とも中道派が存在感を失い、共通認識を持つことが難しくなっている。どうすれば求心力を回復できるのか。世界史に手がかりを求めているが見当たらない。分断が進む民主主義国家は、どこまで耐えられるのか。今、米国で起きていることは、単にハリスが勝つか、トランプが勝つかということ以上に、大きな歴史的意味を持つ。
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