北日本四政経懇話会

北日本政経懇話会4月例会

「ミラノ冬季五輪・WBC・W杯等のビッグ・スポーツイベント大洪水のなかで誰も気づかない大切なこと」

【日時】令和8年4月24日(金)正午
【会場】ANAクラウンプラザホテル富山
【講師】玉木 正之 氏(スポーツ文化評論家)
【演題】「ミラノ冬季五輪・WBC・W杯等のビッグ・スポーツイベント大洪水のなかで誰も気づかない大切なこと」
北日本政経懇話会の4月例会が24日、富山市のANAクラウンプラザホテル富山であり、スポーツ文化評論家の玉木正之氏が「ミラノ冬季五輪・WBC・W杯等のビッグ・スポーツイベント大洪水のなかで誰も気づかない大切なこと」と題して講演した。スポーツを知る姿勢から、平和への糸口を探る方法を語った。

 スポーツライターになった約50年前は、スポーツといえば野球と大相撲くらいしかなかった。今はオリンピックや野球のメジャーリーグ、6月に始まるサッカーW杯などがよりなじみのある存在となった。
 ただ、日本の報道は「誰が勝った」「誰が金メダルだ」という情報が先行し、スポーツの裏にある重要な話題に目を向けていない。ヨーロッパの国々では、国際オリンピック委員会が2028年ロサンゼルス五輪から女子種目に出場する選手に遺伝子検査を行う方針を示したことに、人権問題として大きな話題となった。
 「日本人はスポーツを知らない」が持論だ。つまりサッカーやバレーボールのルールを理解していても、それ以上のことは知ろうとしない傾向があるのだ。
 40歳の頃、中村敏雄先生の著書「オフサイドはなぜ反則か」をきっかけにスポーツとは何かを深く考え始めるようになり、1カ月半ほど図書館にこもった。そこで、社会学者のノルベルト・エリアスが唱えた「スポーツは民主主義の中からしか生まれない」という考えに出合った。
 民主主義の国では、話し合いで物事を決定することから、暴力が否定される。殴り合いがボクシングに、取っ組み合いがレスリングというスポーツに変わる。日本でも、明治時代に民主主義の先駆けとなる五箇条の御誓文が出され、殺しの方法だった柔術が、柔道という武道に変化した。
 100メートルを走っても、サッカーで素晴らしいシュートを決めても何も生み出さない。だからこそスポーツは尊い。戦争を終わらせるために始まったオリンピックのように、多くの人がスポーツの意義を理解し、楽しむことで、ひょっとしたら平和な世界をつくれるのかもしれない。 

■交代会員1人紹介
 講演に先立ち、交代会員として、北國銀行富山支店の岩﨑賢昌執行役員富山営業部長が紹介された。

■次回は山田昌弘氏
 5月例会は5月19日に富山市のホテルグランテラス富山であり、社会学者の山田昌弘氏が講演する。問い合わせは北日本新聞社事業局、電話076(445)3369。

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