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にいかわ政経懇話会11月例会

人生100年時代のモビリティを考える~自動運転の普及と消費者意識

【日時】令和元年11月28日(木)正午~
【会場】ホテルアクア黒部
【講師】宮木 由貴子氏(第一生命経済研究所ライフデザイン研究部主席研究員)
【演題】人生100年時代のモビリティを考える~自動運転の普及と消費者意識
 にいかわ政経懇話会の11月例会は28日、黒部市のホテルアクア黒部で開かれ、第一生命経済研究所主席研究員の宮木由貴子氏が「人生100年時代のモビリティを考える~自動運転の普及と消費者意識」と題して講演した。自動運転は利用者側の体制整備が進んでいないとし、「自分の地域になぜ必要なのかを一人一人がきちんと認識し、メリットを享受するためには何が必要で、どう使えばいいのかを理解しないといけない」と述べた。

♢一人一人が関心持って
 人生100年時代を支える要素は健康、お金、つながりの三つ。この三つはモビリティー(乗り物)と大きな関係がある。
 高齢者が自分で外に出て動くことは非常に重要。人と関わることは生活を豊かにし、健康でいられる期間を延ばす。中山間地域でも都市部でもモビリティーは社会課題になっており、自動運転は注目されている。
 自動運転のレベルは1から5まであり、日本では来年からレベル3(条件付き運転自動化)の自動運転で公道を走れるようになる。普通の生活者にどう浸透させていくのかが国の課題だ。
 1月に行ったアンケート調査で、自動運転に対する不安で最も多かったのは、車が安全に作動するかどうか。次に、事故が起きたときの責任問題だった。住んでいる地域で自動運転バスが走ればいいと思う人は5割超で、自家用として欲しい人は5割弱だった。都市規模が小さいほど、自動運転への期待が高いようだ。
 社会実装に向け、法律とテクノロジーは進んできているが、利用者側の体制整備が進んでいない。まずはメリットを「見える化」することで関心は高まるだろう。その上でニーズとシーズのマッチングが必要になる。
 社会の受容性を高めるには、消費者の情報量を増やして理解度を上げることに加え、消費者自身の行動を喚起するアクションが必要だ。自分の地域ではこういう理由で自動運転が必要で、協力してあげようと思ってくれないと受容性は醸成されない。
 利益を受けるのは消費者。一人一人がモビリティーに関心を持ち、高齢になったときにちゃんと移動できるか考えてほしい。行政、事業者、消費者の連携と情報共有により、ニーズとシーズをマッチングしてテクノロジーを有効活用していくことが必要だ。

 例会では、交代会員として大崎敏治魚津商工会議所専務理事が紹介された。

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