北日本四政経懇話会

にいかわ政経懇話会

にいかわ政経懇話会事務局: 北日本新聞社新川支社内
〒937-0041 魚津市吉島582-1 [電話]0765-24-1111 [ファクス]0765-24-1217

にいかわ政経懇話会9月例会

医療崩壊をどう止めるか

【日時】令和元年9月26日(木)正午~
【会場】ホテルアクア黒部
【講師】本田 宏氏(NPO法人医療制度研究会副理事長)
【演題】医療崩壊をどう止めるか
 にいかわ政経懇話会の9月例会は26日、黒部市のホテルアクア黒部で開かれ、NPO法人医療制度研究会副理事長の本田宏氏が「医療崩壊をどう止めるか」と題して講演した。社会保障が切り捨てられている現状を説明し、「考える人を増やさないと日本は良くならない」と述べた。

♢考える日本人増やそう
 厚生労働省の元官僚に「医師は将来余る。偏在が問題だ」と言われると、普通の人は信じてしまう。京都大の「受験生の皆さんへ」と題した立て看板には「人の言ったことを安直に信じるのではなく、自分の力で真理を探究し、自分の考えで物事を判断してほしい」とある。こういう人を増やさないといけない。
 問題を見極めるポイントは、全体像の把握、世界との比較、歴史の検証、お金の流れを追うことの四つ。なぜ医療費と医師数が減らされているかも分かる。
 医療費抑制が叫ばれるが、高齢者が増えれば医療費が増えるのは当然だ。世界では医療費負担は無料が当たり前。日本では、これだけ総医療費が抑制されているのに、一般的な医療費負担は3割となっている。
 日本の医療費は公定価格。世界に比べ、手術入院費用は安いのに、病院が買う薬や医療機器の値段は一番高い。病院が赤字になるようにされている。
 2016年の日本の医師数は約32万人で、OECD(経済協力開発機構)加盟国の平均と比べ約12万人少ない。「偏在が問題だ」と言うが、どこにも余っていない。
 こんな中で、厚労省は医学部定員を削減しようと言っている。医者が過労死しても表面化しないのが日本。皆さんの命の安全、医療の質が保てない。
 明治時代から、日本は官尊民卑の官僚政治で経済界は社会貢献の意識が乏しいという問題点が指摘されていた。医療崩壊の歴史のルーツは明治維新にある。国民を大事にしない国は発展しない。
 私が講演などの活動をする最大の目的は、考える日本人を増やすこと。
 一人一人が考える人間にならないと国民主体の国にならない。

 例会では、新入会員として川上浩県議、谷村一成エスケー総合保険事務所社長、交代会員として廣瀬和夫魚津清掃公社代表取締役、鈴木俊茂黒部峡谷鉄道社長、石﨑由男魚津観光開発社長、堀内康男堀内商会相談役、川口広良オークス新川地区統括部長が紹介された。

←前のページにもどる

ページトップ