北日本四政経懇話会

にいかわ政経懇話会

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にいかわ政経懇話会9月例会

「大事なことから忘れなさい~迷える心に効く禅の教え~」

【日時】平成30年9月13日(木)正午から
【会場】ホテルアクア黒部
【講師】松山 大耕氏(京都・妙心寺退蔵院副住職)
【演題】「大事なことから忘れなさい~迷える心に効く禅の教え~」
 にいかわ政経懇話会の9月例会は13日、黒部市のホテルアクア黒部で開かれ、妙心寺退蔵院(京都)の副住職、松山大耕(だいこう)氏が「大事なことから忘れなさい~迷える心に効く禅の教え」と題して講演した。「禅は全てをシンプルにすることを根幹とし、実践を通して本当に大事なことを身に付けなければならない」と述べた。

♢実践通し身に付ける
 仏教には素晴らしい教えがたくさんあるが「ありがたい話」「いいことを聞いた」と思っているだけではあまり役立たない。生活に生かしてこそ意味が出る。禅の教えでは、本当に大事なことはなんだったか忘れるくらい身に付けなければならない。
 臨済宗の妙心寺は約650年前にでき、末寺は全国に約3400寺ある。花園大学長を務めた魚津出身の故・盛永宗興老師ら県出身の和尚さんはたくさんいる。

♢全てをシンプルに
 禅の教えには二つの特徴がある。一つは「禅」という漢字が単純なことを示すと書くようにシンプルであることだ。寺や石庭の造り、修行道場の食事もそうだし、座禅も心をシンプルにする。全てをシンプルにすることが根幹だ。
 二つ目は実践、体験を重んじることだ。例えば私が飲んだオレンジジュースの味を説明しても、皆さんは飲まない限り絶対に分からない。お釈迦様がなさったことと同じことをやって、全部は分からなくても一部だけでも追体験することを一番大事にする。
 仏教に「聞思修(もんししゅう)」という言葉がある。「聞」はセオリーを学ぶ、「思」はなぜそうするのか考える、「修」は実践すること。物事を習得する一般的な手順だ。

♢とりあえずやる
 禅の道場は逆で「修思聞」。とりあえずやることから始める。修行を終えてからセオリーを学ぶ。「不立文字(ふりゅうもんじ)」という教えがあり、物事の本質は言葉で表現できず、実践・体験、そして直感によってつながるということだ。
 子どもでも部下でも言われたことはせず、見たことをする。修行を長くしている僧ほど人が嫌がる仕事を率先してする。見せないと伝わらない。また、人を育てるため、わざと教えず気付くまで待つことがとても重要だ。
 事業継承など上手に継承している人の特徴は、やってはいけないことを伝えている。成功することは時代によって違うが、やってはならないことは変わらない。人の心をつかむため、瞬時に動くことができるかも大切だ。
 「分かる」と「できる」では違い、「できる」と「やる」とも違う。能力ではなく「働き」が大事だ。

※交代会員を紹介
 例会では交代会員として菊地正徳双葉ダイス社長が紹介された。


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