北日本四政経懇話会

北日本政経懇話会

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「自民党総裁選の行方と国内外情勢」

【日時】平成30年7月17日(火)正午から
【会場】ANAクラウンプラザホテル富山
【講師】歳川 隆雄氏(国際政治経済情報誌「インサイドライン」編集長)
【演題】「自民党総裁選の行方と国内外情勢」
 北日本政経懇話会7月例会は17日、富山市のANAクラウンプラザホテル富山で開かれ、国際政治経済情報誌「インサイドライン」編集長の歳川隆雄氏が「自民党総裁選の行方と国内外情勢」と題して講演した。9月の総裁選に関しては「安倍晋三首相の3選の可能性が高い」と語った。

▽日朝会談実現難しく
 南北首脳会談や米朝首脳会談が行われる中、一部メディアは「日本が置き去りにされている」と指摘したが、それは違う。4月28日に安倍氏がトランプ米大統領と電話会談し、米朝会談をアジアの第三国でやるべきだと助言したことで、トランプ氏はシンガポール開催を決めた。当初、トランプ氏は南北軍事境界線のある板門店(パンムンジョム)で実施する意向だった。「日本が置き去り」という事実はないことを理解してもらえるだろう。
 では、日朝首脳会談は実現するのだろうか。中国の制裁緩和で北朝鮮に金が流れ、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が拉致問題などで日本側に当分頭を下げずに済む環境になりつつある。今すぐ会談し、日本側が拉致問題で成果を得るというのは難しいのが現状だ。
 6月の新潟県知事選で与党の支援候補が勝ったのも大きい。負ければ首相官邸側は日朝会談を実現させる構えだったが、急ぐ必要はなくなった。一方、9月にロシア・ウラジオストクで開かれる東方経済フォーラムに金氏が出席し、首脳会談が行われるのではないかとの見方もある。
 9月は自民党総裁選も行われる。安倍氏3選の可能性は非常に高いが、石破茂元幹事長の地方人気は健在だ。安倍氏は2012年の総裁選で石破氏に地方票で負けており、今回も一抹の不安を拭えないため、地方票の獲得を懸命に進めている。党内では細田派、麻生派、二階派が既に安倍氏支持を明らかにしている。

▽岸田氏に禅譲も
 「ポスト安倍」に関しては、岸田文雄政調会長はいい人なのだが、石破氏ほど人気がない。安倍氏からの禅譲しか道はなく、今回の総裁選はほぼ間違いなく不出馬だろう。本人に聞くと「短命政権でもいいからやりたい」と話していた。野田聖子総務相は推薦人20人を集めるのが難しい。結果的に安倍氏と石破氏のガチンコ勝負になる。安倍氏に近い閣僚は「(石破氏が)二度と立ち上がれないようにするのが眼目だ」と語っていた。それに近い結果になるだろう。
 来年は統一地方選と参院選に加え、天皇陛下退位と新天皇即位、大阪での20カ国・地域(G20)首脳会合などの大イベントが続く。安倍氏がなすべきことを終えた後、岸田氏に後を託す可能性は排除できない。しかし、参院選で「勝った」と言える議席を獲得すれば欲が出るだろう。拉致問題や日ロ平和条約締結など外交案件で成果を出せば鬼に金棒だ。野党の体たらくも安倍1強、自民1強が当分続く担保になっている。

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