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「御代替わりとその後の皇室」

【日時】令和元年5月30日(木)正午~
【会場】富山第一ホテル
【講師】山下 晋司氏(皇室ジャーナリスト)
【演題】「御代替わりとその後の皇室」
 北日本政経懇話会5月例会は30日、富山市の富山第一ホテルで開かれ、元宮内庁職員で皇室ジャーナリストの山下晋司氏が「御代替わりとその後の皇室」と題して講演した。皇室典範で「男系男子」に限定されている皇位継承について、「男女に関係なく『長子優先』で継承するのが国民に分かりやすく、今後の議論はこの方向で進むとみている」と語った。

 上皇さまは、行動あっての象徴天皇という考え方。行動することで、自らの気持ちを国民に示してきた。高齢になり、行動が伴わなくなったので退位することになった。
 象徴は時代によって変化するもの。これから天皇陛下がどのような姿を見せてくれるのか、楽しみに待ちたい。
 今後、皇室はどのような姿になっていくのか。ことし秋以降、皇室典範の改正論議がスタートする。皇位継承について考えなければならない。
 小泉純一郎内閣で、女性・女系天皇を容認し、継承順位は長子優先とする考え方をまとめた際、天皇家の長女、愛子さまは3歳だった。
 愛子さまは、女性・女系天皇容認となれば天皇となり、男系男子に限るとなれば、結婚して皇籍離脱する。結婚後は主婦になるかもしれない。この振り幅を強いていることは、人権的にも問題がある。
 皇室典範は退位を想定していないが、今回はそれも崩れた。もしも将来、陛下が85歳で高齢を理由に退位することになったとすると、この時、皇嗣(こうし)秋篠宮さまは80歳。80歳で皇位を継ぐというのは制度としておかしい。高齢などの「理由」のある退位について皇室典範でどう整理するのか、難しい課題だ。
 皇室典範は抜本改正が必要だが、政治がこれを成し遂げるのは難しいだろう。今回の退位が実現したように陛下が「お気持ち」を示し、国民がそれをくんで声を上げ、内閣、国会を動かすという形を取るのがいいのではないか。

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