北日本四政経懇話会

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現代に生かしたい渋澤榮一のこころ

【日時】令和元年11月26日(火)正午~
【会場】オークスカナルパークホテル富山
【講師】渋澤 健氏(コモンズ投信㈱取締役会長、シブサワ・アンド・カンパニー㈱代表取締役)
【演題】現代に生かしたい渋澤榮一のこころ
 北日本政経懇話会11月例会が26日、富山市のオークスカナルパークホテル富山で開かれ、コモンズ投信(東京)会長の渋澤健氏が「現代に生かしたい渋澤榮一のこころ」と題して講演した。渋澤氏は日本の資本主義の父と呼ばれる実業家、渋沢栄一のやしゃごに当たる。「人は前例のないものを否定しがち。見えない未来を信じる力を持ってほしい」と呼び掛けた。

  米大リーグで活躍する大谷翔平選手が、日本ハム入団後に記載したとされる目標設定シートを見る機会があった。マス目の一つに「論語と算盤(そろばん)を読む」という言葉があり、非常に驚いた。「論語と算盤」は渋沢が今から約100年前に書いた本だ。
 日本ハムの栗山英樹監督が若手選手に論語と算盤を読むように薦めたことが影響しているという。栗山監督の著書に渋沢の心を一言で表現している言葉がある。「見えない未来を信じろ」という教えだ。若手の未来を囲い込むことなく指導したことが、投打の二刀流という前例のない大谷選手の活躍につながっているのだろう。
 渋沢が生きた時代は明治維新によって、これまでの常識が一転した。その中で500社ぐらいの会社を築き、日本初の銀行を興した。見えない未来を信じて、力を尽くしたことが功績になっている。
 論語と算盤の内容を現代の言葉で表現すると、サステナビリティ(持続可能性)とインクルージョン(包括性)になる。もうけを独り占めし、算盤だけを追求すれば、どこかでつまずく。論語と算盤は車の両輪のような存在で、両方がそろって初めて前進する。
 人間には未来を創造する力がある。SDGs(持続可能な開発目標)は、今の延長線では達成できない。現実を飛躍させ、未来から逆算して考えることが重要だ。

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