北日本四政経懇話会

高岡政経懇話会

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高岡政経懇話会5月例会

参院選を読む~安倍政権の行方

【日時】令和元年5月21日(火)正午~
【会場】ホテルニューオータニ高岡
【講師】岩井 奉信 氏(日本大学法学部教授)
【演題】参院選を読む~安倍政権の行方
 衆参のダブル選挙を巡っては、永田町でも情報が錯綜している。一番注目されていたのは、20日に発表された国内総生産(GDP、季節調整値)速報値だ。マイナスになると言われていたが、年率換算で2・1%のプラスになり、消費税増税の延期で信を問うという選挙はないだろう。
 首相は昨年、総裁選で3選し、今年11月に在職日数が憲政史上最長となる。永田町では東京五輪後の2020年後半でやめると言われている。そう考えると、あと1年半から2年しかない。この間に何をするかが問題。安倍政権は長い政権だが、これといった形がある成果、レガシーは残していない。
 政治家である以上、歴史に爪痕を残したい。経済問題は簡単にいかず、北方領土の返還は1、2年で解決できないし、北朝鮮の拉致問題も進展してない。そうなると、首相にとって最も重要なのは憲法改正だろう。発議には「改憲勢力」で3分の2議席以上が必要だが、今は千載一遇のチャンスでもある。
 ただ、今回の参院選はそう簡単に議席を取れない。13年は政権交代した後で自民党が大勝利したが、16年は野党が候補者を一本化したため思いのほか取りこぼしている。
 ここでダブル選の話が出てくる。自民は現職が多いから候補者が決まっているが、野党は選挙をやる状態にない。共闘がガタガタになり、大混乱する。
 首相は政治家として憲法改正を目標にしながら、選挙で改憲を前面に押し出して戦ったことはない。首相として最後の選挙かもしれず、勝負を懸けない手はないだろう。
 このまま、漫然と参院選に入ると、3分の2議席確保はおぼつかない状況で、憲法改正は消えてしまう。国民の関心はそんなに高くないが、ずっと日本の政治の最大の争点であった。勝負を懸け、うまくいけば東京五輪の前に国民投票に持ち込むことができるかもしれない。

 新入会員として山本徹県議、交代会員として牛塚松男射水ケーブルネットワーク社長が紹介された。

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