北日本四政経懇話会

となみ政経懇話会

となみ政経懇話会事務局: 北日本新聞社砺波支社内
〒939-1363 砺波市太郎丸2-129 [電話]0763-32-2012 [ファクス]0763-33-1033

となみ政経懇話会2018年7月例会

激動の北朝鮮情勢を読み解く

【日時】平成30年7月27日(金)正午から
【会場】TONAMI翔凜館(砺波市三島町11-8)
【講師】礒﨑 敦仁氏(慶応大学准教授)
【演題】激動の北朝鮮情勢を読み解く
■懸案解決へ対話必要

 となみ政経懇話会の7月例会が27日、砺波市三島町のTONAMI翔凜館で開かれ、慶応大准教授の礒﨑敦仁氏が「激動の北朝鮮情勢を読み解く」をテーマに講演した。米朝会談や周辺国との関係に触れ、懸案解決に向けた日朝の対話の必要性を訴えた。

 日本では昨年4月、米朝が戦争に突入するのではないかとの雰囲気になっていたが、実態とは違うことが報道されていたように思う。金正恩(キムジョンウン)氏は同月、最高人民会議や軍事パレードに出席している。予定通りの場所に現れたということは、米国がピンポイントで攻めてくることはないと北朝鮮が読んでいたということだ。

 ◇核保有のデメリット
 北朝鮮は情報が少なく、我々の論理とはかけ離れており、読み解きにくい。メディアコントロールが巧みで、日米が衛星画像を解析していることも分かっている。北朝鮮を分析するためには、一つ一つヒントをかき集めるしかない。
 北朝鮮は核を持っていないと米国から攻撃され、体制が崩壊すると恐れていた。昨年、トランプ政権が誕生し、中国も強硬な姿勢を示し、核保有によって戦争を引き起こすデメリットが出てきた。米国が攻撃しないのは隣国に日韓があり、米軍や民間人がいるからだ。攻め落とすのはあっという間だが、北朝鮮が日韓に反撃するぐらいはできる。核がなくても、日韓への攻撃能力があれば十分だ。
 核を持つことで強硬な政権が誕生し、周囲から制裁を受けることを考えれば、手放す心積もりがあるのではないかと思う。取り引きが好きなトランプ氏と、戦争を避けたい文在寅(ムンジェイン)氏という両大統領がいることは北朝鮮にとってチャンスだ。

◇孤立する北朝鮮?
 北朝鮮は、国連加盟国の8割となる160カ国と国交がある。よく「国際的に孤立する北朝鮮」と言われるが、それは自分たちを中心に考え過ぎではないか。
 日本は米国とも連携できているとは思わない。世界に目を向けなくてはならない米国にとって、北朝鮮問題は順位が高くなかった。
 おととし、ミサイルが自国に届くかもしれないという状況になり、本気になった。韓国は、対話での解決を国民が支持している。南北には所得の格差があり、統一も現実的ではなくなっている。
 日本は希望的観測をやめ、懸案解決のため、対話するという決断が必要になると思う。

 例会に先立ち、となみ政経懇話会会長の忠田北日本新聞社長が「皆さんのお役に立てるように、さまざまな企画を考えていきたい」とあいさつした。

←前のページにもどる

ページトップ